これまでにSSH指定校となった福島県内の連携校で構成されたふくしまサイエンススクールコミュニティー（FSC)の協力を得て福島大学で開催しました。
講師には2010年ノーベル化学賞を受賞されたパデュー大学特別教授 根岸英一先生をはじめとする4人の先生方をお招きしました。まず、井上正之先生から有機化学の基礎について講義いただいた後、上村大輔先生から薬と毒に関する話をしていただきました。昼食をはさんで、午後からはまず松田建児先生から、有機分子から生まれる面白い機能についてお話いただきました。続いて化学部在籍の高校生による有機化学研究発表が行われました。いずれも、講師や当財団の大学教授が驚くほどの高レベルな研究に果敢に挑戦する内容でした。最後に根岸英一先生には、化学の面白さと大切さを含め、有機化学反応における金属触媒の重要性や特徴について講義いただきました。井上正之先生の講義と、それ以降の専門的な講義がうまくリンクしてより理解の深まる内容となりました。 高校生のみなさんにとって有機化学への興味をさらに深めてくれる場になり、それぞれの先生方からのメッセージを受け取ってくれたことと思います。

【セミナー受講風景】

１．有機を知れば　道がひらける

講師　井上正之先生（東京理科大学教授）

２．医薬リードを海に求めて

講師　上村大輔先生（神奈川大学教授・名古屋大学名誉教授）

３．一つ一つの分子を見る　触る「分子ナノテクノロジー」

講師　松田建児先生（京都大学教授）

４．高校生による有機化学研究発表

ベンザインの合成を目指して　福島高校　化学部
カルパノンの全合成II　磐城高校　化学部

５．夢を持ち続けよう！―d-block遷移金属触媒が21世紀を救う―

講師　根岸英一先生（パデュー大学特別教授　2010年ノーベル化学賞受賞）